Big Brother is Watching (you)とは? 『1984』の考察

米国で 最近良く売れていると言う、ジョージ・オーウェルのSF小説『1984』に登場する支配者…「ビッグ・ブラザー」とは、政府や有力者が全ての人々を監視している未来社会の支配者を指します…ユートピアの反対のデストピア(反ユートピア)小説と言われています……出版が72年前の1949(大運丑の年運丑)で、オーウェルは1984(大運辰の子の年)を想像してこの小説を発表しました…簡単に要約すると1984年の世界では、人々が息苦しい監視社会の中で暮らしていて、その様に警鐘を鳴らすストーリーです…本作執筆当時のオーウェルや英国の世相を振り返って観れば、第二次世界大戦の終わり1945(大運丑の酉の年)は、これから起きるであろう東西冷戦…「民主主義vs社会主義」への不安がこの小説を書くきっかけとなりました。オーウェルは発表の翌年亡くなっていますが、日本のみならず二度の大戦後でヨーロッパは疲弊し経済的にも政治的にも、その未来は希望に満ちてはいなかったのです。

1991(大運巳の未の年)のソ連崩壊を以って、民主主義は勝利したかに見えますが~果たして2021(大運未の丑の年)から観た未来は……ユートピアかデストピアか…⁉ 2016年のトランプ政権発足後急激に売り上げを伸ばしている小説『1984』~”監視社会”や”行動制限” がテーマですが、思想や言語、結婚~生活の物事に統制が行われている世界では、人間としての尊厳や人間性まで否定されると作者は警鐘を鳴らしています。オーウェルは英国の統治下のインドで1903年に生まれました(卯の冥令星)…権力がある時代の英国がわずか数十年で、身ぐるみを、剥がされた祖国から未来を観たのです。この小説では未来が”全体主義”という超管理社会になると予告しているのです…自由を謳歌し続けた米国から火が付いた事はうなずけます…元々軍事目的で開発されたコンピューターはこの半世紀で、様々な応用がされ便利になり、今の世の人々に広く深く浸透しました。

現在の世界を見回して観れば、各国の政府や企業がセキュリティー網への投資を強化する中…2021年迄に10億台以上の監視カメラが世界で設置される見通しです…大華技術(ダーファ・テクノロジー)~海康威視数字技術(ハイクビジョン)の中国勢2社が圧倒的なシェアを握り世界の40%を占めています…「世界の監視カメラ設置台数上位都市」20都市中16都市が中国です…又人口1000人当たりの設置台数でも、上位20都市の内18都市が中国の都市でした……ちなみに米国ではNYが最も多く約2、5万台で、日本では東京の約4万台です……オーウェルの小説の「ビッグブラザー」の肖像画のモデルは“スターリン“です。

令翠学では「申・酉大運時代」は、社会主義時代で権力者が世界を牛耳る時代と観ます…オーウェルの未来は、今そこにある危機に他なりません…情報管理社会の覇者は間違いなく「ビッグブラザー」なのです。

資本主義と文明の未来

<資本主義と “文明の未来”>

 

世界が迎えた『グレイト・リセット』…テックジャイアント5社「GAFAM」の時価総額は560兆円~Apple1社の212兆円はトヨタ1社23兆円の約10倍…そしてその総額は、東証1部2170社の合計をはるかに上回ります……富の偏在は、大運(辰)=1980年代の自由競争・金融経済から大運(巳)の90年代に入り、賃金主導型から利潤主導型成長戦略(グローバリゼーション)へ……つまり労働者の所得は資本家へ移動して、結果として、世界の総需要は縮小し大運(午)2000年代からの永きに渡るデフレは、大運(未)の年代で、世界を「不平等」という格差最大の極みに導きました。世界大戦の後、世界は新自由主義による金融経済へと姿を変えました…本来のお金はモノを交換する為のモノであるはずですが金融経済は、それ自体を増やす事に価値を探して行きました。利潤追求型経済に於いては、企業は利潤を増やすが、労働者は賃金が下がり所得が減ります…そして需要は縮小し、企業の製品は売れなくなり、需要を海外(外需)へ求め~更に人件費をカットし、生産拠点を移す~市場に金を任せれば…「富はしたたり落ちる=トリクルダウン」ケインズの経済学の古典『神の見えざる手』の理論は崩れました…しかしその後、実態経済が止まっても、資本家達は金融経済のアクセルを踏み続け、現在に至るまで効果的な手は打たれていません…ノーベル賞を受賞した学者でさえ、読めないのが経済。

<デジタルテクノロジーが生んだ “無形資産” >

Netflixや、zoom、Facebook、Googleなどの新たなビジネスの利益は労働者には行きません…不平等を加速させ、富を生むルールの変更の中で、「情報・通信産業」の登場はその後の産業構造を変えました…それは「無形資産」の登場です。土地や設備を始めとする資産なき資本主義→つまり無形資産産業です…GoogleやFacebookの優位性は彼らの所有する「無形資産」に支えられています…「知識資産」「評判資産」「関係資産」は今までの特許などに次ぐ新しい無形資産と言われるモノで、ICT革命~インターネットとコンピュータによる第4次産業革命と呼ばれるモノに他なりません……小売業・旅行業・航空業・銀行業~あらゆる産業はオンライン化を余儀なくされ、まさに「無形革命」で現在はまさにこの世界に於いてバブル的成長期を迎えています…

<進歩に見えない進歩= 循環 >

これからの社会は利便性は増すが、決して進歩はしていない…改良・改善社会であり、量的拡大は起きない…「循環型社会」になって行きます…資本主義経済で富を得た世界の資本家は多様な資本主義の見本として今までになかった「精神的規範」を要求される事でしょう…(2020,10月Google提訴=『反トラスト法違反の疑い』by米国司法省……資本主義も多様化し「ノルウェー・スエーデン型=福祉制度」…精神的規範=『禅的資本主義』⁇………世界は新しい資本主義の価値の模索を迎えています……資本主義という文明は進化して行くのでしょうか?

<アフターコロナを令翠学で分析>

<Evolution=進化>

Virusの故郷は、シベリアの水源地…『子=種子』です。世界の野鳥の多くは夏にはシベリアで、次の大旅行に備えて羽を休めます…そこでは自然界の交配が営まれ、尚且つVirus交換も行われます。鳥類は進化の過程で自らの細胞破壊をする事で膨大なエネルギーを生み出し、小さな身体で何万キロの大旅行を成し遂げますが…その長い進化の過程でVirusを受け入れ保菌しても、自らは犯されない細胞へと進化しました。その渡り鳥はシベリアから人間界に近い山野の哺乳類→コウモリにVirusを渡し(鳥類→哺乳類)交換~コウモリから地上の野生動物や家畜・ノミ・ネズミへと渡して行きます…人類が河川流域に定住し、農耕を営み子孫繁栄に励む中、共に共存共栄しています。そして世界の文化文明に見えざる役割の担い手であったのがVirusの存在でした。そもそも我々哺乳類の進化はジュラ紀(1億8400万年前)のデイープインパクト(惑星衝突)による環境汚染で、絶滅の危機に際し、胎盤を持つ事で生き残るという進化のおかげなのですが…その大進化をもたらしたのが、Virusの遺伝子を自らの遺伝子に組み込むと言う生命進化の中での出来事の結果でした。

<グローバル時代の幕開けはVirus⁉>

14世記 1346年(大々運酉・大運亥・年運戌)…モンゴル帝国が最もその版図を拡げ、その触手をヨーロッパへ向ける中クリミヤ半島のカッファでの攻防戦が、その後のアジア~ヨーロッパの明暗を分ける事になりました。長い遠征によるモンゴル兵の衛生状況の悪化により発生したペスト菌(腐敗した穀物により)で、ヨーロッパ侵略を断念したモンゴル軍は、そのペスト死者をカッファの城内に投石機を使い投げ込みました

結果その後ヨーロッパ人口の1/3が失われ、封建社会は緩やかに崩壊して行き、やがて大航海で、新たな新大陸へグローバル化への矛先を向ける事になりました。14世記のルネッサンスも又こうしたパンデミックが生んだ副産物であり、そのペスト大流行の最中「ダヴィンチ」「ミケランジェロ」「ダンテ」~が世記の大偉業を成しました。又それを支えてヨーロッパ1の大富豪「メデイチ家」は製薬業で富を築き隣国フランス~英国にその財で影響を与えました……「ルネッサンスとは再生・再開」であり、その後のヨーロッパは人口減少に伴い生産性の向上の結果18世記の産業革命へと繋がって行きます。

<Evolution=進化からRevolution=革命>

令翠学の分析では、2019(亥)~2020(子)~2021(丑)は(大々運寅・大運未)144年の周期において特殊な時代であり、特にこの三年は、天下分け目の大淘汰と解いています……自然界の法則下…いえ人類史における法則下では、再生するには破壊は必然!…2022(寅)より始まる再開時代に向け今静かに進化出来る人と取り残される人に振り分け作業は進行中……二度と過去には帰らない時代へと…さらに近未来に直面する「水危機」「食糧危機」を考えれば2030(戌)迄の環境回復は急務でしょう…世界で叫ばれるSDGsの最前線は一次産業(農林水産業)であり、アフターコロナで生まれるルネッサンスなのではないでしょうか?…世界の大国中国で発生したVirusはモンゴル時代とは大きく違い科学汚染由来で複雑です…今回は人類の勝利に見えますが、今後は科学技術と一次産業を世界規模で回復させなければ、次のパンデミックの勝利は?でしょう。大河の氾濫は~新たに強毒化した化学汚染Virusを生み、グローバル時代の終焉を告げました。現代のメデイチ家は既にSDGsを視野に動き出しています。母なる大地の甦り、再生再構築は待ったなし…世界の有機農業は1%未満…農耕民族の日本においては0,2%…海洋汚染による海温上昇がもたらす大洪水は、人災に他なりません…大きな危機には大きなチャンスが待っています、これは歴史の必然です!…人類は新たなEvolution~Revolutionへ向かうのです!

令翠学から観た「観光立国」「カジノ法案」

令翠学から観た「観光立国」「カジノ法案」

<観光立国への歩み…日本の人口の1/3がやってくる時代>

この10年足らずで、地方都市を訪れる観光客の数は、激増しています。中でもこの数年 倍々ゲームの勢いですが、駅やホテルなども邦人を対象と言うよりも各国の言語対応は勿論ですが、宿泊施設はインバウンド向けのリニューアルで、バスタブを除き、シャワーブースのみに仕様変更したり、明らかにこれら観光客に向けての外・内装です。デパートは国内向けのアピールよりも、韓国・中国人向けの売れ筋商材で溢れていますし…2016年に成立した「カジノ法案=IR」も急ピッチで進んでいます…日本を訪問する外国人の数は、2010年→約861万人~2015年→約1973万人~2018年→約3119万人…2020→4000万人⁈ と発表されています。国別で見てみると、1位=中国 (735万人)2位韓国 (714万人)3位台湾 (456万人)…以下 香港~タイ~シンガポールなどで、来日の約8割りをアジアの国々がしめています。訪問地の人気NO1は東京…京都は4位です。我が国を訪れるインバウンド客の増加は主要なマーケットのアジア諸国の経済が好調であること~格安航空会社(LCC)の普及~円安メリットが主な理由ですが…当然観光ビザの発給要件の緩和も一役をかっています。年間 約5兆円が我が国に落ちています

<日本人の海外旅行は ?>

一方日本人の海外旅行は、長期のデフレ(需要不足)で、1994(戌)の平均年収 約664,2万円をピークに2018(戌)平均約432万円(ー232万円)と落ち込み2014(午)を境に出国者は入国者を下回る事になりました。令翠学では右肩上がりの1950(寅)~1985(丑)からバブル期~バブル崩壊(1986~1997)そして現在通過中の大運未(2010~2021)…を分析していますが、事実を知れば…失われたモノは「国民の所得」に他なりません。1億総海外旅行は(午)の大運の2000年を持って伸び悩みです。世界一信用度の高い日本のパスポートはあまり活用されていないのです。ササヤキからボヤキ~そしてタメイキ…オーバーツーリズム(観光公害)に晒される日本人が 心から「オ・モ・テ・ナ・シ」出来れば良いのですが……⁈

<カジノ法案 IR(複合型リゾート)>

観光立国~カジノ法案=デフレ改善の奇策⁈…地方都市がこぞって挙手しているカジノ誘致は、国や自治体の思惑どうりとは行かないようです。(未)の大運(2010~2021)は富める者と困窮者に分かれる時代であり、詐欺や享楽に現実逃避する人々の溢れる時代です。治安悪化~経済効果の不明瞭の中、一か八か政府が賭けに出るのでしょうか?…格安航空で、溢れる観光客は かっての高度成長期の様なお金は落とさず(未=油断)の大運末期の外国人頼みの経済政策は文明没落への入り口と…ある哲学者は言う……勝手のローマ帝国~スペインは観光頼みの国々ですが、 何れも経済悪化の国々です。2022シビアな(申)の大運はすぐそこに待っています…益々 内向きの様相ですが、内需を担う政策は何処へ…⁇

時代を観る 令和に観る「日本人の気質」

 

<平らか成る 世から令しく和する代へ>

江戸時代の260年を除き、日本人は外来の“ 新知識 ”を積極的に吸収し、又そうした情報を 独自の解釈や味付けで、アレンジして来ました。それは単にモノマネではなく、より深く~より多様性を持たせて進化させて来ました。古来よりのこの独特の民族性は、一体何処から獲得した資質でしょうか?日本人のアイデンティティとも言えるルーツを考察して見ましょう。

<建国のに観る 国民性の違い>

ちなみにアメリカは建国243年(1776年7月4日)ですが、日本は建国2679年(紀元前660年)と言われています…アメリカ人の国民性は1620年のメイフラワー号のアイルランド移民を皮切りに、フランス・スペイン・オランダ~そして最終的には英国からの独立を勝ち取り、歴史上 初めて庶民による国家の設立を果たしました。有名な独立宣言「人民の人民による人民の為の…」つまりはっきりとした「理念」に基づき建国された為、アメリカ人は国家の危機や由々しき事態になれば、国民は一丸となりこの「理念」の元に「初期設定」されるのです。実にわかりやすい民族性です…かたや日本人は、そうは行きません…推定1万3千~5千年前に大陸より上陸し、多少の時間差でその後移動して来た人々と共に、この東の辺境のしかも“ 島国 ”に何となく住み始め~ほぼ単一民族で、歴史上 一度も植民地化される事なく、独自の文化を営んで来ました…つまりは「初期設定」に立ち返る事は難しく、そもそも「理念」に基づいた国家造りのスタートではありません。

<変化の仕方が変化しないのが、日本人>

無理矢理「初期設定」をするならば、17条憲法(604年)…「和をもって貴しと為す」と言うことでしょうか? 好奇心旺盛で、そのマイペースな気質は、防衛本能の究極の姿「無防備」!…長年 外来の知見に身を広げる方が、多くの利益をもたらす事を列島の祖先から延々と受け継いでいるのか?…いずれにしろ、先ずは、安定を確保し 劣性を逆手に取る巧みな「面従腹背」のメンタリティは、日本人の最も得意とする気質に他ならないでしょう…他国との比較でしか自国を語れず、空気を読むなど…何となく…相手の出方次第の国民性は、もはやDNAレベルの気質ではないでしょうか。何にでも「道」を付け、ボチボチと…日暮れて~道遠し、未だ未だ結論は先であろう…ロシアから声がかかれば、そちらを振り向き~中国からの触手も興味津々~アメリカからのラブコールは、捨て置く訳には行きません…結論を出す事は最も苦手な国民です…厳しい自然環境は私達を、弱くてもしたたかなまるで、子供の様な 民族に育んだようです。